真理とはシンプルなものだよ

【アナログ着色絵の

自分の中で今熱いものはありますか。
脱臼マンはアナログ着色にハマっています。

近所の本屋さん及び文房具屋さんが惜しまれつつも閉店と相成り、それに伴い文房具50%オフセールが開催されました。

「半額で手に入れた絵の具なら、最悪全然出来なくて詰んだとしても、心のダメージも半減される……!これは……"買い"だ!!」

脱臼マンは迷わず店舗に走り、不透明水彩絵具を全色購入しました。スケッチブックも欲しかったけど流石に瞬殺だったみたいで完売していた…!

で、初の不透明水彩絵具で描いた絵が冒頭の絵となります。ビギナーにしてはまあまあ描けたのではないでしょうか。どうですか?

透明水彩絵具は持っていて、二三回トライしていたのですが、どうにもレイヤーを重ねて少しずつ描いていくあの感じのコツが掴めず、であれば一旦不透明水彩絵具で筆で塗る事への抵抗を無くそう、というのが主な狙いです。スモールステップや!

実際不透明水彩はゴリッと塗れて、脳筋絵描きとしては使いやすさを感じました。
ただ、不透明と銘打ってあるだけあり、ノープランで塗るとべったりしてしまい地獄を見ます。私は、見たぞ(地獄絵図を)。
順を追ってご紹介しましょう。

ちょっとイケメンに描きすぎた下絵

水彩の下絵って普通もっとさらっとしてない?
出だしから怪しい脱臼マン、今スタートです。
脱臼マンのヒカセン君は私の中では雰囲気イケメンのフツメンなのですが、これは普通にただのイケメンだろ。グッドルッキングバージョンでお送りします。
以前の3羽シマエナガの餌付けしているイラストで刀を描くのを忘れるという痛恨のミスをしたので、今回は刀を持ってもらいます。
イメージは「00年代のバンドマンがよく雑誌のグラビアでやらされてたあの感じのポーズ」です。
ほら…よくギターとかを抱えて仰向けにさせられてたじゃないですか。それ。多分ヒカセン君も「え…?(困惑)」となってたと思う。ごめんな。でもやって。ほら!寝て!ここに!早く!

よくわかんないけど、淡く塗るんだよな?(塗れていない)の図

いや、あのね?(言い訳)
青と黄色のゴッホみたいな絵にしたかったのね?
だから早く発色が見たかったのね?
だから最初にゴリッと青くしちゃったんだよね。背景を。
でもなんか最初は淡く色を乗せる的な雰囲気は感じていたので、服は気持ち淡く塗ろうとしてるのが苦し紛れでウケますね
今見るともうこの段階で迷子になっているのが分かって良さがある。
心なしかヒカセン君も「本当にこの方向性で行くのか?」という念を押すような顔に見えますね。ごめんな。

地獄絵図の図

シンプルに終わったな。
良かった、絵具を半額セールで買ったから、被ダメージも50%軽減されている。

………

………

………どうしよう。
どうしたらいいんだ、ここから。
やり直すか……?最初から……。
今ならまだ傷は浅い(今地獄絵図見てるけど)

………

………

……いや!よく考えろ脱臼マン!
これは練習だ!!!
失敗して良いんだ!逆に練るチャンス!
ピンチは……チャンスや!!!
ブラック企業で培ったド根性よ!唸れ!

大丈夫だ。絵の具は水に溶けるのだから……
紙の上で……絵の具を溶く!
そして……拭き取る!
見えたぜ、俺のサクセスロード!
絵は技巧で描くんじゃない。
ハートで描くんだ。
※どちらも必要です。

脱臼マンは解ったんだ……
水彩画に必要なものは……
まあ……色々あるけど……(あるんだよ色々!)
最後まで諦めない心!!

最後まで諦めない心で暈した図

どうだ!!!!
絶対に完成させてみせる!
じっちゃんの・・・名にかけて・・・!!

いや敢闘賞だろこれは!!
果敢に闘っているよ!!
よくやった自分!と言ってあげたい。

過去、もっともっと絵が下手くそだった時。
姉に絵を見せた事がある。
姉はデザインを勉強した人だから、何かアドバイスが欲しかったのだ。
姉は言った。

光源どこ?
手厳しすぎわろた。
いやわらってない。
やっぱつれえわ。

しかし最後にこう言った。
下手でも良い。完成させろ

当時の私の中では完成だったから見せたのだろうけど、今考えると確かに違うな。
確かにあれは完成じゃなかった。
もっと良い絵にする為の工夫の余地が、打つ手がまだまだあったのだろう。
そこに気付いて、最後まで描ききる人が「良い絵を描く」人なのだろう。

姉の言った事は、正しい。真理に近しい。
光源は相変わらず描画できないが。

ということで、このまま肌色とかを乗せて完成させたのが冒頭の絵です。(記録がなかった)
今冷静に見ると直したい箇所とかはあるけど、自分の中で努力があった記憶があるのですごく良い絵になっているなと思います。

想定外な事が起こったり、思い通りの色にならなかったりするのですが、アナログ着色めちゃくちゃ楽しいなとなりました。

アナログ着色絵の良いところは、水を含んでずっしりと重い紙の絵が、そこに在るという事。
この重さは自分だけの努力の結果だ。誰にも文句は言わせないぜ。
問題点は捨てにくい物が増えることだけです。

ところで最近絵を描く事に仏性を見出だしているんですけど、ちょっと感性が達観しすぎだろうか。逆にもっと尖らせてもいいのだろうか、この感性を。案配が難しいね。
アナログ絵を描くからには、実物の絵が見たいなあ。可能なら水彩画を……。筆運びとかはやはりリアルで見ないといまいち分からない。もう少しフッ軽人間になりたいな。

話がずれましたがおわり。