IRONはHOTな内にSTRIKE

脱臼マンの図※全て塗料です

他のヒカセンさんの絵を制作中、ずっと同じ絵の事を考えていると煮詰まってしまう事があります。
これ良い絵なのかな?
気に入ってくれるかな?
かっこいいorかわいいかこれ?
そもそも………先生の描いた絵なんて………フフ………喜ばれないかも知れませんよね………(ベアティヌ先生)
本格的に煮詰まってくるとそういうネガティブな思考になる為、脱臼マンはそういう気配を感じたら他の絵とかを描いたりします。
執着心の分散という感じでしょうか。
なんか禅の修行でもしてるのか。

今回息抜きに自分のヒカセン君でも描くか!と思いましたが、如何せん特に自分のヒカセン君で描きたい構図とかもなく(酷い)、ツイッターランドでアンケートを取ってみました。
結果、景気良く流血せよという票が多く、そのような絵を描くことにしました。

流血か……むしろ私の土俵くらいの勢い。得意分野だぜェ!ヒャハァ!と筆が乗り、描き上げたのが今回の絵。

もしかして景気良すぎた?誰も求めてる感じじゃなかった?すまねえ!俺は好き!
いやでもグロくないだけ良心的ですね。アバーッ!爽やかな流血!
赤く見えるものはカララント(塗料)なので誰も怪我してません。ネオイシュのストライカー装備に銃がついているのが好きでして、実際の戦闘で窮地に陥ったら撃つんだろうなと思って描いた一枚です。
個人的にヘッドショットが性癖なので、本当は銃口付近に敵の頭(髪)を描きたかったけど自重しました。チキンが。そういうところだぞこのヘタレ。そういうのはやれよ。

あと切断した腕にはドマ帝国兵の刀を握ってもらいました。これ……アサヒをイメージしてデザインされてますよね。怖……と思いました。

さて、脱臼マンは月岡芳年が好きでして、ああいう絵に憧れがあるのですが、芳年といえば血みどろ、ということで久し振りに画集を引っ張り出して参考にしました。
語れる程美術に詳しくはありませんが、芳年絵の好きなところは大きく分けて三つ。
ひとつは布や髪のディテールの細かさ。
ひとつは大胆な構図。
ひとつは色使い。
それぞれの絵で好きな要素は変わると思うのですが、大まかには上記の三つかな。
限りなく現代のコミック絵に近い、けど別にコミック絵じゃない。大胆だけど緻密。良い意味で自然ではなく、一番かっこいい瞬間を切り取って、しかも誇張して描く外連味。アンビバレントといいますか、両極の魅力があると思っております。
分かりやすいところで行くと「西塔ノ鬼若丸」とか見た時は筆を折りかけましたね。芳年に憧れるのすらおこがましい…オコガマシイデゴンスとなりましたね。憧れるのをやめましょう!(ご覧のブログは自由を御旗に掲げています)興味のある方は調べてみて筆を折りかけてください。
もちろん「藤原保昌月下弄笛図」は……嫌いなオタクいるか?と思うレベル。学生時代に便覧でこの絵を見てノートに模写していました。「尾上の召仕お初」「玉兎 孫悟空」なんかは、いつかパク……オマージュした絵を描きたいなと思っています。とても分かりやすい絵だから、比較的パクりやすそうじゃないですか?キャッチーなんだよなあ、おしゃれでさ…こんな昔の絵なのに……。
あと個人的に好きなのは「松竹梅湯島掛額」。燃え上がる炎とミスマッチな穏やかな娘の微笑…ひるがえる矢がすりの着物…たまらん!!芳年聞こえるか!!好きだ!!
ぶっちゃけどの絵も良すぎて図録を見ながらこれはこうでああで……と語らいたいレベルです。

モノクロ版いいぞ!の図

私なんぞは絵という山の本当に裾の裾に潜んでいるカエルみたいなもんですが、こうやって好きな絵をパクって、噛み砕いて、もっと理想に近い絵が描けるようになったらいいな。
毎回苦しみながら描いていますが、本当に楽しいです。もう少しスピードと精度を上げることを目標にしていこうと思います。

とりあえず、今回はカララントを被ってくれてありがとうな、我がヒカセン君。お疲れ様。